カビの種類とカビが生える原因

私達が住む日本は、四季折々の素敵な情景を見せてくれます。
春は桜がキレイですし、冬は雪景色が素敵ですし、夏は夕日がグッときます。

ですが、季節ごとに人の悩み事も多種多様です。

春は花粉症が猛威を振るいますし、冬は乾燥するため風邪をひきやすくなったり火事が増えたり、夏は暑さで体調を崩したり・・・
カビが多く生えたりしますよね。

さて、この「カビが生える。」という現象の原因は何なのだろう?
そもそもカビって何?という具合に、あまりカビについて多くの事を知らない人も多いのではないでしょうか?

食べ物やお風呂場、洗面所やキッチン周りなど、カビは私達が生活する至るところに発生してしまいます。
そのカビの種類や防ぎ方、掃除方法などを解説していきます。

カビは菌の繁殖によって、カタチが生成される。

カビは汚れとは異なり、微生物の一種です。
「真菌」というグループに属する「糸状菌」で、キノコや酵母も実はカビによってそのカタチを成すモノです。

カビには発生の条件があり、その条件を満たす場所であれば、どんな場所でも発生し成長します。
カビ自体は、人間の歴史よりも遥かに古く、5~10億年前から地球上に存在したと言われていて、その種類も8~20万種と言われ現在でも新種のカビが新しく発見されるなど、まだまだ未知の領域が多いことが分かります。

ただ、カビも悪い事ばかりではなく、良いカビ菌も存在しています。

チーズやキノコなど、カビ菌の繁殖によって出来上がる食べ物もありますし、ペニシリンという抗生物質もカビによって生成されています。

カビ菌は、私達の肉眼で発見する事は困難で、胞子が芽を伸ばし「糸状菌」として成長を遂げて初めて肉眼で確認出来るようになります。
シイタケや松茸などのキノコも、元々は肉眼で確認出来ない微生物(カビ菌)の発生によって食物となる訳です。

代表的なカビの種類

  • 黒カビ(学名:クラドスポリウム)

黒カビは私達の住居の至るところに発生するカビです。
お風呂場など、湿気の多いところに発生する事が多く、湿気によってカビ菌が繁殖しやすくなります。

黒い斑点(はんてん)のような汚れは、ほとんどこの黒カビと言っても良いでしょう。

エアコンの中に黒い点々が見えたり、結露しやすい窓に取り付けたカーテンに黒い点々が見えたら、それはほぼ黒カビです。
黒カビの菌はハウスダストやホコリの中にも含んでいて、毒性もあり、アレルギーの原因になったり、喘息の原因になったりもしてしまいます。

基本的に汚れていて、湿気の多い空間を好むので、出来る限り掃除と換気を行い、黒カビの発生を防ぐ必要があるでしょう。
また、黒カビは一度生えてしまうと、なかなか完全除去が難しいほど、生命力が強いのも特徴です。
菌糸の根が深く表面だけを掃除しても、すぐに生えてきてしまうので、とにかく発生させないようにする事が大事です。

  • 青カビ(学名:ペニシリウム)

ブルーチーズなどは、この青カビによって熟成されたモノで、何とも言えない風味と臭いで、ヨーロッパでは古くから食されていた食べ物です。

ちなみに私は苦手です。
(関係ないかな。)
このように、カビ菌の繁殖によって、発行熟成をさせる食べ物も非常に多く、私達の生活に馴染みのあるチーズはその代表的な食品と言えるでしょう。

※青カビが全て食べられる訳ではないので、無闇に食するのは絶対にやめてください。

みかんやお餅に生えるカビも青カビの一種と言われています。

  • 赤カビ(学名:フザリウム)

畑や土壌に多く生息し、麦やトウモロコシに寄生します。
古くなったパンやごはんなどに生えてくる赤色がかったカビも赤カビです。

湿度が高い場所なら金属やプラスチックの上でも繁殖するため、エアコンのファンやフィルターなどに多く繁殖します。
エアコンの内部の汚れが赤い色(薄いピンク)をしていた時は、エアコン内に赤カビが発生している。という事です。

青カビは食べられるモノも存在していますが、赤カビは絶対に口にしないでください。
赤カビに汚染された食べ物を食べると、嘔吐や下痢などの食中毒症状や、免疫機能の低下を引き起こす。と言われています。

それだけ毒性の強い赤カビがエアコンの中には生えやすいという事は、長期間掃除をしないで放置しておくことが、けっこう危険な状態だという事も同時に知っておきましょう。

カビが生えないようにするには?

カビ菌は私達の目に見えない状態で、常に空気中を漂っており、カビが生えるリスクをゼロにする事は非常に困難です。

ですが、カビが繁殖しにくい環境を作る事は私達でも出来る事です。

  • 換気を心掛ける。

部屋の空気を入れ替える事で、カビ菌の繁殖が防げます。

  • 除湿機を使用する。

湿気の多い場所などは、特に除湿機や除湿剤などを使用しましょう。

  • 湿度計を設置する。

部屋の湿度を目で見えるようにしておき、湿度が65℃以上にならないように注意しましょう。

  • 水はけの悪い観葉植物を置かない。

 

水はけの悪い観葉植物は部屋の中に湿気を充満させてしまう原因になります。
おしゃれなインテリアとして置いたモノが、カビ菌の発生源になってしまう可能性もあるので、観葉植物を置く際はその辺りも調べてからの方が良いでしょうね。

  • カビを掃除機で吸わない。

部屋に発生してしまったカビを掃除機で吸うのは止めましょう。
掃除機のタイプにもよりますが、排出口からカビ菌が一気に部屋中に広まってしまいます。

  • 布団はこまめに干す。

日々使用している布団も、私達の寝汗や体温によって、非常に湿気を含んでいます。
カビ菌が繁殖する温床になり易いので、こまめに干す事を心掛けてください。

布団はこまめに干し、湿気を溜めないように心掛けてください。
マットレスもフローリングや床に直接置くのではなく、スノコを使用し空気の出入り口を作ってあげると良いでしょう。
マットレスを裏返したら、黒い斑点が無数にあった・・・なんて現象は黒カビが発生した可能性が非常に高いです。

  • クローゼットの中も注意!

クローゼットは基本的に締め切る空間ですし、夏場などは非常に湿気も溜まり易い場所です。
除湿剤を使用するなど、クローゼットや押し入れの中の湿気対策にも気を遣ってください。

クローゼットにカビが生えてしまったら?以下をお読みください。
クローゼットの中にカビが生える原因と対策

基本的にカビ菌は風通しが悪く、湿気の多い場所を好みます。
なので、まずはこの2点を意識して対策を講じる事が重要です。
特に、最近の住宅は昔の木造建築に比べて、格段に密閉度が高いのでこまめに換気を心かげる事は必要でしょう。
夏場もエアコンのドライ機能を使用するなど、除湿には意識を高くもってください。

カビが発生してしまったら?

部屋の中でもエアコンでも、お風呂場でも、カビが生えたのを確認してしまった場合、まずは掃除です。

早めの掃除を行う事で、カビの根が深くなる事を防ぐ事。
これ以上の繁殖を繰り返させない、範囲を最小限にとどめる意識が重要です。

市販のカビ除去剤を使用する事でも良いですし、木製の部分などは、ヤスリでこすってみるのも対処法です。

ですが、黒カビなどは一度生えた場所に、再度、芽を出す事が多いので、掃除をしても同じ場所にカビが発生してしまう場合などは、専門の業者に相談をしてみる事をお勧め致します。

まとめとして

カビの発生を100%確実に抑えるのは、非常に困難です。

それは、数億年の歴史があるカビの強さを考えても分かりますし、目に見えない菌が相手ですからね。
だからといって、何もせず放置するのは非常に危険で、カビ菌が多い空間で生活をする事は、喘息やアレルギーなどの原因にもなり、健康被害を及ぼします。

「換気」と「除湿」こまめな掃除で防ぐ努力は行いましょう。

また、食べ物に生えるカビの中には、発がん性を含むモノもありますので、カビが生えた食べ物は安易に口にしない事をお勧め致します。